月別アーカイブ: 2013年2月

頼りだった結婚相談所が…「結婚するには結婚相談所しかない!」

私が結婚相談所に訪れたのは、43歳の春のことでした。
仕事一筋で生きてきた私が独立をし、漸く軌道に乗ったところのことです。
「結婚相手を探そう」。ふと思いました。
それまでお付き合いしてきた女性とは全く結婚を考えなかったのに、人生の折り返し地点も過ぎて急に寂しさを覚えました。
このまま仕事一筋でいくよりも、家族がいた方が断然いい会社になるだろうとも感じました。

周りは当然既婚者ばかりで、昔のように女性を紹介してくれるという話もありませんでした。
待っていても何も始まらないので、結婚相談所に駆け込んでみようと思いました。
今流行りの婚活というものです。
まさか自分が婚活をするとは思いませんでしたが、結婚相手を探すのだから一番良い方法だろうと考えました。

私のイメージの中では、結婚相談所は多少陰気臭い感じがしていました。
男性も女性も、それほど恋愛経験がない感じの方々が登録しているところだと思っていました。
ところが、蓋を開けてみるとそれはひと昔前のことだとすぐに分かりました。
婚活がブームになっているということもあり、所謂イケメンも美人も会員になっていると教えられ、少々期待が持てました。
説明を聞きに行った時には、2名だけ会員のデータを見せてもらえました。
どちらも写真で拝見した限りはお美しい方で、「結婚への近道はここにあり」と満足出来ました。

翌週には手続きを取り、各種書類も提出して会員になれました。
起業するくらいですので、私は自ら人生を切り開きたいタイプでした。
会員には担当者が出会いのサポートをしてくれるのですが、私はそれを待っている男ではありません。
気になる方がいたら、自ら積極的にアプローチしていきました。
いいお返事が来なければ、次の女性へと心を変えていきます。
そうでもしないと、本当に出会いたい女性に出会えるかどうかは分かりませんからね。
こういうのはアプローチした者勝ちだと思っていました。

私が登録した結婚相談所は、アプローチする分には一切お金が掛かりません。
しかし、自らアプローチした女性が良いお返事を下さった時にはお金が掛かります。
1ヶ月の間に10名にお申し込みをして、2名からのお返事を頂きました。
その時はそれほど深くは考えていませんでしたが、このシステム自体が私を苦しめていくようになりました。

婚活はもう懲り懲り「私は結婚がしたかっただけなのに…」

奇妙な夜から2週間ほどが経ちました。
その間、彼からはあのお店のことに関しては何も言われませんでした。
私も極力触れないようにしていましたが、「今日の夜、あの店でご飯食べない?」と言われました。
私がいい顔をしないのを悟ってか、「この間は奥に行けなかったでしょう?今日は更に落ち着く奥の部屋に案内してもらうから。余計な心配しないで!きっと気に入ると思う」の一点張りでした。

デート中だったので同僚にアドバイスをもらうことも出来ず、私はとりあえずもう一度訪れることにしました。
店内はやはり暗くて、誰も会話をせずに鍋を囲んでいました。
1時間ほど掛けて彼と食事を済ませ、いよいよ奥の部屋に通される時間がやってきました。
真っ暗な廊下を抜けると、今度は眩しすぎるくらいの部屋に到着しました。
そこでは皆さんがお経のようなものを唱えていていました。
私の心の中に「これは新興宗教だ」という思いが芽生えました。
彼の手を振り払って、私は必死に外へ出ました。
誰も追いかけては来ませんでしたが、外に出ると目の前に彼がいて驚きました。
感情を失った目で「どうして逃げるの?」と冷たく言い放たれました。

そこからはどうやって家に戻ったのかは覚えていません。
震える手で同僚に電話をし、「どうしよう?何もされてないけど、新興宗教みたいだった。顔がバレているから、私どうなっちゃんだろう?助けて…」そう言うのが精一杯でした。
心配してくれた同僚が、デート中だった交際相手と駆け付けてくれました。
「何かあってからでは困るから、今日はここに泊まらせてもらうよ」と2人とも私の部屋にいてくれました。

その後、彼からはぷっつりと連絡が途絶えました。
どういうつもりなのかは分かりませんが、メールも電話もありません。
こういうことがなければ、私は真剣に彼と結婚したいと思っていました。
でも、怖くて自分から連絡を取ることも出来なくなりました。
何も変化がないので警察に相談することも出来ません。
生きた心地はしませんが、悪夢の出来事から2ヶ月が過ぎようとしています。
ものすごくトラウマになってしまい、婚活は愚か他の方法で男性と出会うのも怖くなってしまいました。
もう無理には出会わないと心に決め、私は婚活をやめることにしました。

婚活はもう懲り懲り「雲行きの怪しい交際に発展」

しっかりと“婚活”を意識して男性と出会うと、こんなにも交際に真剣になれるものなのだなと不思議な気持ちになっていました。
彼とは「え~?こんなところも似てるの?」という部分が多く、何もかもが心地良く感じられました。
出会ってから2ヶ月、真剣交際に発展してから1ヶ月、お互いの家族のこともだいぶ話すようになりました。

彼は今まで付き合ってきた男性とは違い、本当に何もかもが誠実でした。
「結婚するなら誠実な人がいいよ」と、早くも結婚生活に飽き飽きしてきている友達がよく愚痴をこぼします。
私は28歳まで結婚まで考えられる男性に出会わなかったのは、彼と出会うためだったのだと強く感じていました。

ある日のデートのことです。
ランチを終えた後は特に予定もなく、ウィンドウショッピングでもしようかという話になっていました。
予定を立てないで行動するのが好きな私は、時々力を抜いてデートをしてくれる彼にどんどん惹かれていくばかりでした。
でも、その日から少しずつ歯車が狂い始めました。
ウィンドウショッピングと称してぶらぶらしていると、彼の親友と偶然バッタリと出会いました。
親友の方も彼女とデート中だったようで、突然4人で遊ぶことになりました。

彼と彼の親友がよく行くというお店で夕飯を食べることになったのですが、そこはお店という感じではありませんでした。
会員になった人しか入れないような一軒家で、外から見たら飲食店には見えません。
少々不安に思っていると、彼が「変なお店じゃないから安心して」と手を引いてくれました。
でも、そこはろうそくで明かりを取っていて、静かに鍋を囲んでいる人たちが何組かいただけです。
誰も無駄な会話をせず、食事が終わった人たちは奥の部屋に通されていました。
小声で「ここは飲食店じゃないの?」と聞いてみると、「シーッ。食事が終わるまではお喋り禁止」と口を封じられました。

私たちは食後に奥の部屋に通されなかったのですが、なんだか奇妙な感じでした。
彼に聞いても「水族館のクラゲと同じで、あそこに身を投じると嫌なことを全て忘れられるんだよ。そのうち分かるって」と言うだけでした。
そのうちということは、これから何度もあそこに連れて行かれることになるのだと悟りました。
よく分からない空間に連れて行かれたことを同僚に話したら、「それは怪しいね。しばらく様子を見た方がいいかもね」とアドバイスをくれました。

婚活はもう懲り懲り「三度目の正直でカップルに」

同僚は2回目の婚活パーティでカップル成立を果たしたのですが、私は3回目にして漸くカップル成立を果たしました。
彼女のフォローがなかったのでドキドキしましたが、3回目の婚活パーティの時には非常にタイプの男性がいたことで頑張れました。

私とカップル成立になった男性は、3歳年上の31歳でした。
結婚を考えていた女性に振られ、気持ちの整理がついたところで婚活を始めたという人です。
色々な方法で婚活をしていて、やっと交際してみたいと思える女性(私)に出会えたと話してくれました。

縁というのは不思議なもので、運命みたいなものを感じることがあるんだなと感じました。
私が彼ともっとお話ししてみたいなと思ったのは、最初に数分話して「この人は他の人と何かが違う」と感じてしまったからです。
どういう感情でそう思ったのかは分かりませんが、この人を離してはいけないと強く思いました。
彼もまた同じようなことを感じたようで、婚活パーティの後にお茶をしながら「ゆっくりとでもいいから2人で色々なことを楽しんでいきたい」と言われました。

当然動き出した私の恋愛模様に、同僚は喜んで応援してくれました。
彼女も同じ人と交際を進めているところで、「今度はこの交際が実るように頑張ろう」と再び誓いました。

三度目の正直という言葉を実感したのは、出会ってから1ヶ月経った頃のことです。
彼がどうしても連れて行きたいというところに案内されました。
そこは、私が1人でも訪れてしまう水族館でした。
クラゲが展示してあるエリアがあり、そこでボーッとするのが大好きでした。
私はその話を一度も彼にしたことがないのに、彼もまたそこで時々ボーッとするのが好きでどうしても案内したかったようです。

水族館での一件で急速に距離が縮まり、その日のうちに結婚を前提とした交際を申し込まれました。
私も「これは運命以外の何ものでもない」と気持ちが高ぶっていたので、しっかりと彼の気持ちを受け入れました。

同僚とは包み隠さず話そうという話をしていたので、結婚前提の交際に発展したことは一番に報告しました。
両親よりも先に報告したのは良くなかったかなと思いましたが、今となっては彼女だけの報告に留めておいて良かったと思っています。

婚活はもう懲り懲り「意を決して婚活パーティに潜入」

唐突に始まった私と同僚の婚活ですが、2人で参加するのには意味がありました。
結婚相手を見付けたいという思いが一致していたのと同時に、いい意味でライバルにもなるという感情があったからです。
仕事上でもお互いにいい意味でのライバルになっており、少しずつですが成長をしてきました。
2人して同時期に結婚相手が見付かれば、結婚生活や今後産まれるかもしれない子どもの悩み相談も出来、一生の友として付き合っていけるだろうとい気持ちがありました。

意を決して婚活パーティに潜入してみましたが、最初はそのシステムに慣れずにただただ圧倒されるばかりでした。
いくら合コン慣れをしていると言っても、婚活パーティでは合コンのように飲んで盛り上がるという雰囲気はありません。
私たちが参加してみたものは、最初に30名の男性とお話をしていきます。
フリータイムでは立食形式でケーキやドリンクが出され、気になった方と自由にお話をするというものでした。

フリータイムは楽しめましたが、最初に着席して男性とひたすら自己紹介をし合うというものに圧倒されてしまいました。
何度か参加している方は慣れているようでしたが、日常生活でこんな風に男性とお話をすることはまずありませんからね。
時間でお相手が変わっていくのですが、男性がベルトコンベアで流れてくるかのようでした。

最初の時点で躓いてしまったからか、私も同僚もなんの成果もなく終わってしまいました。
でも、ここでめげないのが私たちのいいところです。
合コンだって必ずしも当たりとは限りません。
あまり楽しめなかった時は、次の合コンに繋げるものです。
その日はパーティ後に食べ放題に行き、「来週は絶対に誰かとカップルになろう」とその日の憂さ晴らしをして帰りました。

こんな調子で、あまり真面目な感じがしない婚活を始めました。
職場では婚活は秘密にしていたので、この日を境に同僚とは作戦を立てる為によく行動を共にするようになりました。
次の婚活パーティでの作戦を立て、フリータイムでピンチに陥った時は協力し合おうということになりました。
この当時はまだ婚活自体を楽しめていたのかなと思います。
その後に出会う人との凄まじい交際を知ることもなかったのですから。