結婚の条件「頑なな私」

32才の誕生日を迎えた私は、後輩の女の子たちがどんどん寿退社をしていくことにずっと焦りを感じています。
いくら結婚が遅くなった世の中とはいえ普通のOLでキャリアがあるわけでもなければ、32才は充分売れ残りです。
化粧室で、「お局さん」と後輩たちが私を揶揄するのを個室の方から偶然聞き、声が出るのを必死で抑えながら悔し涙を流した日もあります。

誘われた合コンで、私がはしゃいでいたと言うのです。
「いい年したお局さんが、頭数合わせに誘っただけなのに滑稽よね、滑稽!」
私はシラケさせてはいけないと、一生懸命頑張っただけです。
それをそんなふうに言われ、私はどうしていいのかわからなくなってしまいました。
会社での私はだんだんと口数が減り、とうとう後輩の子たちと話すのはお小言を言う時だけになってしまいました。

私は貯金もそこそこにありましたから、結婚相談所へ入会を決めました。
この結婚相談所は担当に付いてくださる方が決まっており、私の母ほどの年齢の方が私の担当に付いてくださいました。
条件を書く欄があり、相手の学歴や職業年収などの希望にチェックを入れるのです。
ふと私を馬鹿にしている後輩たちの顔が目に浮かびました。
「あの子たちがうらやましがるような結婚相手でないと。。。」
私は学歴は大卒以上、職業を「医者弁護士テレビ関係者」などにチェックを入れ、年収は2000万以上と希望しました。
容姿に対しても希望は出せますから、身長180以上中肉中背でとしたのです。
それに「出来れば年下で」とも付け加えました。

「青柳さん。。。」
青柳というのが私の名前なのですが、担当の女性が少し間を置いて口を開かれました。
「たくさん夢もお持ちでしょうが、条件をあまりの狭めていらっしゃるとほんとうに良い出会いが逃げていくということもありえますよ。」
「私が歳を取っているからですか!贅沢を言っているとおっしゃるの?」
私は担当の方の言葉にカチンと来て、そう言い返しました。
本当はそんなふうに私が怒ることがおかしいのです。
至極当然のことを、担当者はおっしゃっているのです。
結婚は気持ちの部分が大きいのですから、こんな条件ばかり並べたってダメなのです。
でも私の心は荒みきっていました。
「いいんですよ、いいんです。
それではこれでプロフィールを建てておきましょう。」
その日はこれで、結婚相談所を後にしました。